Bach-Busoni編 ピアノ作品集(セケイラ・コスタ(p))


Marco Polo 8.220153 Bach-Busoni編

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004 - 第5曲 シャコンヌ
いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV 61
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564
前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532

セケイラ・コスタ(p)

Marco Polo 8.220153 1982年録音 今市パブリック・ホール(日光市今市文化会館のことか。1,066席)

 Sequeira Costa (1929-2019葡萄牙)は日本ではあまり知名度は高くなかったようだけれど、こうして来日録音があったのですね。これはFerruccio Busoni(1866ー1924伊太利亜→独逸)がBachへの畏敬の念を込めて編曲した作品、現代のレパートリーとして定着しております。上記4曲はオリジナルもよく知られているものばかり。

 「シャコンヌ」は名曲中の名曲、ヴァイオリン一挺にて人生の深淵、宇宙を描き出す巨大なるマジック。Bachの時代はどんな演奏だったのか想像するするしかないけれど、浪漫派の人々が濃厚重厚な再現を目指すのも無理からぬドラマ満載な風情でしょう。いくらでも煽って高揚させて詠嘆に充ちた表現は可能、セケイラ・コスタは抑制を利かせ淡々とイン・テンポで開始、やがて熱を帯びてボリュームを上げていくけれど、あくまで知的なもの、質実なピアノは甘美な華やかさに非ず。録音や楽器の問題でしょうか?最大音響部分でちょっぴり濁りというか、響きが安っぽい感じ、音色に色気不足気味なのは残念でした。(14:22)

 いざ来ませ、異邦人の救い主よ BWV 61はカンタータ(第1曲目)。これも演奏機会の多いもの。ディヌ・リパッティ辺りで有名になったのでしょうか。アーノンクール(1976年)で確認してみるとオリジナルとはまったく風情が異なって、もともと躍動する符点リズムから始まる緩急緩フランス風序曲(合唱付き)。もしかして別な作品と勘違い?不安になりました。こちらピアノによる演奏には深く沈溺するような重さ、暗さがありました。セケイラ・コスタは暖かく味わいある落ち着いた音色、こうした静かな作品が似合っていると思われます。(5:06)

 トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564は著名なオルガン作品。Toccataは破天荒な旋律、巨大なる輝かしい旋律をピアノで再現するには時に少々力み過ぎ?荷が重いと感じたもの。(6:23)Adagioはしっとり寂しげに味わい深く静謐、ピアノへの移行は上手くいっておりました。但しラストあたりの強打はあまり美しくないかと。(5:13)Fugueは淡々としたシンプルな音形から、やがて堂々たる大きさに成長して、ここはたっぷり説得力がありました。(5:20)

 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532もオリジナルはBach初期のオルガン作品。大胆な音形のPreludeはオリジナルよりかなり強弱やら表情を強調したもの(5:33)、Fugueはデリケートかつニュアンス豊かに始まりました。ピアノによる違和感はないけれど、やはり強い打鍵時のやや濁りは気になりました。(6:11)

(2020年2月2日)

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written by wabisuke hayashi